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三輪 敦志*; 高橋 奈緒*
JNC TJ7440 2000-014, 40 Pages, 2000/02
本調査は,土岐周辺に分布する土岐花崗岩の地表露頭の岩石薄片試料について,偏光顕微鏡による薄片観察およびモード測定を実施し,既存情報とあわせて考察を行い,土岐花崗岩の岩相分布を把握することを目的として実施した。偏光顕微鏡観察結果およびモード測定の結果から,花崗岩の多くは,石英・カリ長石・斜長石をほぼ等量含むアダメロ岩を示し,含まれる有色鉱物の組み合わせにより,黒雲母のみ,黒雲母+白雲母,黒雲母+角閃石に分類される。これらを考慮すると土岐花崗岩は大きく分けて 1)黒雲母アダメロ岩,2)含白雲母黒雲母アダメロ岩,3)角閃石黒雲母花崗閃緑岩の3つのグループに分類される。石原・鈴木(1969)では野外での岩相変化(主に粒径と角閃石の含有)から土岐花崗岩を分類している。しかし,有色鉱物に白雲母を含む試料の記載がほとんどない。今回の調査によると,白雲母を含む試料は,土岐花崗岩体の西部に多く分布する特徴がわかった。また,有色鉱物に角閃石を含む試料は,従来,土岐花崗岩体北西縁部のみに分布するとされていたが,今回の調査では,岩体の東側にも分布する事が新たにわかった。